高額所得者のための高齢者向けアパート(介護施設)投資
インキュベクスの上村です。
僕自身、会社経営を30年近くやってきましたが、いかに事業を成長させるか?を意識するあまり、法人設立という手法を使った節税の知識は全くありませんでした・・・。
不動産投資は昔からありますが、普通のアパート経営ではなく、少子高齢化が進む中、ニーズの高まっている高齢者向けアパートへの投資に着目しました。
横浜市鶴見区の住宅地に150坪の高齢者向けアパートを建築し、介護事業者に25年間の一括借り上げ契約を締結したとしましょう。
これはサラリーマン投資家にも参考になると思います。
今日は具体例として、給与所得3,000万円の方を前提とした不動産投資について書かせていただきます。
不動産投資に向けた法人設立のメリット ~所得税と法人税の比較~
例えば年収3,000万円前後の方が不動産投資をする場合、法人設立が断然有利といえます。
資本金1億円以下の法人は、800万円以下の課税所得については、15%の軽減税率が適用されます。
一方、法人設立しない場合は、給与所得に不動産所得がプラスされるため、所得税は超過累進税率のため、この場合、高い部分で40%の高い税率が適用されてしまいます。
以下、法人設立のメリットをくわしく述べます。
法人設立による不動産所得の節税対策
法人を設立する目安としては、給与所得を含めた課税所得3,000万円前後が1つのポイントです。
その理由は、所得税の実効税率が課税所得3,000万円を超えたあたりから、30%以上となるからです。
例えば高齢者向けアパートの家賃収入を年間1,140万円とします。物件の建築コストを8,500万円の木造住宅とした場合、減価償却費年間350万円、固定資産税80万円かかる計算となります。
つまり、不動産による年間所得は710万円となります。
※ このほかにも火災保険ほかコストがかかりますが、ここでは省略します。
以下のケースでは、年収3,000万円の方に、高齢者向けアパート(介護施設)投資をする場合の計算です。
◇法人設立し、不動産を取得して貸し付ける場合の税金
① 給与所得分
(課税所得) (税率) (控除額)
3,000万円 × 40% - 279.6万円 = 920万円
② 法人所得分
(課税所得) (税率)
710万円 × 15% = 107万円
③ ① + ② =1,027万円 (1)
◇個人で不動産を取得し、貸し付ける場合
( (給与所得)3,000万円 + (不動産所得)710万円 )
× 40% - 279.6万円
= 1,204万円 (2)
(2)- (1)= 177万円
不動産投資を法人で行った場合の税金は1,027万円、個人で行った場合は1,204万円となり、その差額177万円となり、法人設立が有利です。
法人での生命保険加入のすすめ
個人の場合の保険料控除は年間12万円が限度ですが、法人の場合は保険契約の種類にもよりますが、掛金全額損金も可能です。
解約返戻金のある契約で将来の退職金を準備することが出来ます。
この場合、法人から給与を取っていないと退職金として支給することが出来ませんので、注意が必要です。
また、先のケースの場合、法人から給与を取らない想定となっていますが、法人のお金を私的に自由に使うには、給与を取る必要があります。
最後に、ここまで法人設立の税務上のメリットをお話ししました。
その他ほかにも法人設立によるメリットは多くあります。一方で法人設立費用や設立後も個々の事情等により様々なコストが発生しますので、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
上村 隆幸(かみむら たかゆき)
1965年神奈川県生まれ。1998年、起業コンサルタント業を開始し、以来3000社を超える起業支援を手がける。日本の医療のが在宅シフトにともない「子供からお年寄りまで」すべての生活者が安心と幸福を実感できる地域社会づくりに向けて「ケアーズ訪問看護ステーション開業運営支援」を開始し現在全国800社以上をネットワーク。また「介護の王国」では食費を含めた¥95,000を関東圏で実現する。こちらは全国70拠店。
2021年より神奈川県南足柄市で農業生活をスタート。生産者の視点で「農のある暮らし」「農のある医療」「農のある介護施設」づくりを推進している。
青山学院大学 大学院 国際マネジメント研究科 MBA
産業技術大学院大学(AIIT)創造技術専攻 事業アーキテクチャ(修士)
国際医療福祉大学大学院 保健医療学 博士課程(中退)
新極真空手 木元道場所属 初段