円仁会株式会社の上村です。

最近、介護施設の入居費用が、月10万円程度から30万円程度へ値上げされたというニュースを見ました。

もちろん、建築費や人件費、食材費、光熱費など、介護事業を取り巻くコストが上昇していることは理解しています。

その値上げを批判したいわけでもありません。

むしろ、このニュースを見て改めて感じたことがあります。

介護施設経営では、最初のコスト設計が極めて重要だ。

ということです。

介護施設の利用料を安く設定することは簡単ではありません。

しかし、価格を抑えるために、事業者だけが無理をする経営では長く続きません。

人件費を抑える。

サービスにかける費用を削る。

必要な設備投資を先送りする。

そして、経営が苦しくなれば、最後には利用者様に値上げをお願いする。

私は、そうした経営をしたくありませんでした。

だから介護施設をつくるとき、私たちはまず賃料から逆算することにしました。

最初から、月10万円程度の賃料でも、無理なく事業を続けられる介護施設をつくろう!

そう考えたのです。

介護施設の賃料を「相場」ではなく「原価」から考える

介護施設をつくるとき、多くの場合、土地や建物にどれくらいの費用がかかるのか。

周辺の施設はいくらで運営しているのか。

そうしたところから価格を考えることが多いと思います。

しかし、私たちは違う考え方をしました。

まず、

「継続可能な介護サービスを提供するために、本当に必要な建物コストはいくらなのか」

というところから考えました。

そして、その建物コストから賃料を考える。

つまり、

賃料を相場から決めるのではなく、原価から考える。

ということです。

ここが、私たちの介護施設経営の基本的な考え方です。

19床の介護施設を、長期で回収するという考え方

私たちが考えていた建築コストは、19床の介護施設で約1億円でした。

現在では建築費も上昇しているため、1億3,000~1億5000万円程度で検討できるのではないかと考えています。

重要なのは、建築費がいくらかだけではありません。

その建築コストを、どのくらいの期間で回収するのか。

ということです。

例えば、19床の施設を35年程度で回収すると考える。

建物にかかる月々のコストを計算する。

そして、それを19床で按分する。

そうすることで、1床あたりの建物にかかる基本的な原価が見えてきます。

私たちが考えたのは、こうした数字です。

建築費をできるだけ抑える。

短期間で無理に回収しようとしない。

長期的な視点で考える。

そして、床数で適切にコストを分散する。

そのうえで、

利用者様にとって無理のない価格を設定する。

この順番で考えてきました。

月10万円は「頑張って安くしている価格」ではない

現在、私たちが設定している介護施設の賃料は、おおむね月10万円程度です。

この価格を聞くと、

「かなり安くしている」

と思われるかもしれません。

しかし、私たちは無理をして価格を下げているわけではありません。

利益を削って、なんとか安くしているわけでもありません。

最初から、その価格で事業が成立するように設計している。

ここが重要です。

だから、これまでも月10万円程度で運営することができた。

そして、これからも無理なく続けていけると考えています。

私は、

「安い」のではなく、「無理がない」。

ということだと思っています。

大切なのは、安い価格を続けられるコスト構造をつくること

介護施設経営では、価格を安く設定することだけが目的ではありません。

本当に大切なのは、

無理のない価格で、長く事業を続けられることです。

もし事業者が無理をして利用者様の負担を抑えれば、どこかで歪みが出ます。

人件費を抑える。

サービスに必要なコストを削る。

設備投資を控える。

スタッフの待遇を上げられない。

そして最後には、利用者様に大きな値上げをお願いする。

これでは、持続可能な介護施設経営とは言えません。

だからこそ、最初の建築段階から無理のないコスト構造をつくっておく必要があります。

月10万円程度の賃料を、将来にわたって維持できる介護施設をつくる。

そのために、私たちは建築コストを当初から細かく見直してきました。

建築費を抑えることが、利用者様の負担を抑えることにつながる

介護施設の建築費は、一度かけてしまえば終わり、というものではありません。

建築にかかったコストは、その後の事業に長期間影響し続けます。

建築費が高ければ、建物にかかる固定費も大きくなります。

固定費が大きくなれば、事業を続けるためには、その分だけ売上が必要になります。

そして最終的には、そのコストを誰かが負担しなければなりません。

私たちは、ここを最初から小さくしておくことが重要だと考えました。

必要なものには、お金をかける。

必要以上のものには、お金をかけない。

安全性やサービスの質を犠牲にして建築費を下げるのではありません。

安全に介護サービスを提供できることを前提に、必要以上のコストをかけない。

その考え方で、建築コストを一つひとつ見直してきました。

介護施設経営は、最初のコスト設計で長期的な経営が変わる

私たちが考える流れは、とてもシンプルです。

建築費を抑える。

建物にかかる固定費を抑える。

1床あたりの建物原価を抑える。

利用者様の負担を抑える。

無理のない価格で事業を続ける。

この循環を、最初からつくることです。

重要なのは、開業してからコストを削ることではありません。

開業する前から、将来の経営まで見据えてコスト構造を設計すること。

私は、これが介護施設経営では非常に重要だと考えています。

開業当初は問題なくても、数年後にコストが上昇したとき、事業者の努力だけで吸収し続けることには限界があります。

だからこそ、最初の段階で固定費をできるだけ適正な水準にしておく必要があります。

安い介護施設をつくるのではなく、無理なく続けられる介護施設をつくる

今回のニュースを見て、改めて思いました。

安い価格を設定することも、経営努力の一つです。

しかし、本当に重要なのは、一時的に安くすることではありません。

その価格を10年後も、20年後も続けられるのか。

そこまで考えることだと思います。

介護施設は、短期間で終わる事業ではありません。

地域で長く運営し続けることが求められます。

利用者様も、ご家族も、そこで働くスタッフもいます。

だからこそ、最初から無理のある経営をつくるわけにはいきません。

建築費を極めて抑えながらも、安全に介護サービスを提供できる。

必要な人材には、しっかり投資する。

必要なサービスも維持する。

そして、利用者様には無理のない価格を提供する。

それを長く続けられるコスト構造をつくる。

それが、私たちの考える介護施設経営です。

そして私は、それこそが、

持続可能な介護事業

なのだと思っています。

月10万円程度の賃料を設定することが目的なのではありません。

月10万円程度でも、無理なく続けられる介護施設を、最初からつくること。

そこに、私たちの介護施設経営の考え方があります。

ご希望の方には、私たちが実際に考えている建築コストの設計や、介護施設の収益構造、実際の運営について、経営者向けの無料オンライン説明会で詳しくお話ししています。

お気軽にお問い合わせください。

もっと詳しく知りたい方へ
介護の王国では、介護事業への新規参入や事業拡大をご検討されている方向けに、無料オンライン事業説明会を開催しています。
現役で介護事業を運営する私たちが、制度や開業だけでなく、採用・営業・運営・収益化まで、実践的な内容をお伝えしています。
「まずは話を聞いてみたい」という方も大歓迎です。

ぜひお気軽にご参加ください。