特別養護老人ホーム補助対象者 削減へ
お世話になります。インキュベクスの青井です。
本日の日本経済新聞に気になる記事がありました。
特別養護老人ホーム、食費などの補助対象者縮小へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51545710Z21C19A0EA2000/
2019/10/30 日本経済新聞
この記事によると、厚生労働省と財務省は、これまで特別養護老人ホームなどに入所を希望する所得の低い人を対象とした食費や居住費を補助する制度「補足給付」を大幅に縮小する方向で検討に入ったとのことです。
背景にあるのは、少子高齢化の進行に伴い膨張する介護費の抑制です。
今の制度では約100万人が補助を受け、介護給付費として年約3200億円が支出。今回の見直し案でこの介護給付金を給付費を約480億円抑制できるとみているそうです。
気になる内容を見ていきます。
まずこの「補足給付」は、特別養護老人ホームなどに入居する所得の低い方が対象の制度であり、これまでは、単身の場合は預貯金などの金融資産が1千万円以下、配偶者がいる場合は2人合わせた金融資産が2千万円以下の場合に、食費や居住費の一部について補助を受けることが出来ました。
今回、厚生労働省と財務省は、この基準を単身は600万円、夫婦なら1600万円に下げて対象者を絞り込む方針です。
またさらに一定の所得がある人は、金融資産が600万円以下でも食費の補助を止めることを検討し、本人の年金額が年120万円を超える場合には、食費の給付をやめる案も有力とのことです。
10万人を超える人に影響が出る可能性も
この見直し案で預貯金の基準引き下げで数万人、所得のある人への補助の縮小を含めると10万人を超える人に影響が出る可能性があるそうです。
特別養護老人ホームに相部屋で入居した場合、これまでは、食費と居住で3.7万円、4.5万円、5.9万円の3段階の補助が出ていました。対象者から外れればこの額が負担増となります。
今回の制度の見直しに伴い、生活保護を受給しなければならなかったり、施設を退去したりしなければならない高齢者がでる可能性も大きく、厚労省と財務省は低所得者の自己負担を免除する「減免制度」の活用を呼びかけこの問題に対応したい考えです。
今回の見直し案は、今後、厚労相の諮問機関である会保障審議会で議論され、早ければ2020年の通常国会での成立を目指すそうです。
社会保障費の増加に伴い、いよいよ介護給付金の削減が顕在化、高齢者を取り巻く状況が増すまず厳しくなってきています。
引き続き、今後の動きに注視していきたいと思います。