全国で増え続ける空き家問題…
介護施設への転用が解決のきっかけになる!?

全国で増え続ける空き家問題… 介護施設への転用が解決のきっかけになる!?

いま日本を覆う二つの住宅問題とは?

人口減少などを原因に、日本全国で増え続ける空き家。
総務省の統計では、2013年時点で全国の空き家は約820万戸、
空き家率にして13.5%に達したといいます。

その内訳をみると、増加の第一原因は、持ち家が放置されて空き家になっているケース。
実際、「実家を相続したのはいいけれど、どうしたらいいのかわからなくて……
と、そのまま放置している人は全国に数多く存在しています。

さら地にしようにも処分に多額の費用がかかってしまう。
資産運用など、どうすればいいのかわからない。
……といった理由で多くは現状維持。つまり、、、
空き家=毎年の固定資産税を払うだけのマイナス資産
となっているのです。

ところがもう一つ、日本が抱える深刻な“住宅問題”があります。

超高齢社会にあって、高齢者の住まいが確保できず、必要な介護サービスが受けられなくなるという問題です。
高齢者単身世帯において、自力で住宅を確保することが困難なケースは、2015年時点で601万世帯。
それが2025年には701万世帯にまで増加すると言われています。

その他にも障害者90万世帯、外国人世帯37万世帯、生活保護者世帯75万世帯が住宅確保要配慮者とされています。
この喫緊の課題に対して国が打ち出したのが、空き家を活用して住宅セーフティネットを強化する施策──「新たな住宅セーフティネット制度」です。

その大枠は、以下の3つからなります。

① 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度

② 登録住宅の改修・入居への経済的支援

③ 住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援

簡略にいえば、
高齢者など住宅確保要配慮者とされる方々の入居を積極的に受け入れる旨を施設事業者が申請することで、
事業者は、間取りの変更やバリアフリーに改修する費用に対して、補助が受けられることになります。

たとえば老人ホームを開業するために、中古住宅を改修する場合でいえば、1部屋について最大200万円の補助を受けられることになります。

ほかにも

・家賃や家賃債務保証料を低く抑えることを目的とした補助

・都道府県が居住支援法人を指定し、登録住宅と入居希望者との円滑なマッチングをはかる

などが主要な施策内容となります。

現在、高齢者に対する居住支援を行っている団体では、以下の組織などが報告されています。

一般社団法人あんしん住まいサッポロ(札幌)
・民間の高齢者向け住宅の情報提供と住み替え相談窓口を設置。

NPO法人高齢者支援センター(徳島)
・高齢者等の住み替え相談等を実施。綿密なヒアリングにより要望に合う賃貸住宅をマッチング。

空き家を老人ホームに転用することは現実的なのか?

国策レベルで施策は整った、かのように見えますが、実際問題として、空き家を介護施設に転用することや、老人ホームという事業を順調に運営していくことは可能なのか、という不安が残ります。

空き家を介護施設に転用する場合、オーナーは賃貸住宅として貸し出して、それを借り受けた事業者/事業社が、リフォームを経て住宅型老人ホームを経営することになります。

でもオーナーにしてみると、事業者に貸し出したのはいいけれど……、

持ち家は普通の一軒家なので、住宅型有料老人ホームに改修することは難しいのでは?
行政に対する申請、スタッフ集め、入居者集めなど、順調に開設できるものなのか?
開設後の運営がうまくいかず、結局マイナス資産の空き家に逆戻りになるのではないか?

……などなど。

ところが、実際にそれを実現させた事例は、数多くあります。ここでは、その一つを紹介したいと思います。
家賃10万円の賃貸住宅をリフォームして、住宅型有料老人ホームが開設されたケースです。

家賃10万円の賃貸住宅をリフォームして、住宅型有料老人ホームを開設した事例

長野県のI社長が住宅型有料老人ホームの開設に乗り出したのは、今から1年前の2017年のこと。
家賃10万円、6LDKのごく普通の中古住宅と出会い、内部を10部屋に区切り直し、住宅型有料老人ホームに改修するという計画を立てました。
この物件こそ、空き家対策に困ったオーナーが貸家として出していた建物でした。

県の窓口や消防署で必要な申請を済ませるところまでは順調に進展。
ところが、間取りの変更やスプリンクラーやお風呂リフト、階段昇降機といった介護施設として必要な改修工事に取り掛かろうとしたところ……

「既存の階段の幅が狭く、昇降機が付けられない!」

「既存のお風呂にリフトが付けられない!」

「避難はしごをどこに設置すべきかわからない!」

…など、問題が次々と浮上してきたそうです。

それでも、約2か月の改修工事によって、リフォーム問題はクリア。

次なる課題となったのが、「スタッフ採用」「入居者の獲得」でした。
スタッフ集めについてはI社長は訪問看護ステーションを運営されており、
地域におけるブランディングとネットワーク作りは完了している状態でした。
そのため新たに老人ホームを始めるという話題が口コミで伝わり、さほど苦労せずに応募が集まりました。

「入居者の獲得」について、効果を表したのが老人ホームの基本方針です。
訪問看護ステーションを併設している強みから、ホームでは医療依存度が高い方を積極的に受け入れることを方針の一つとしました。それをアピールしたところ、地域の医療機関やケアマネジャー、他の介護サービスなど彼らとのつながりが強まり、入居者を紹介してもらいやすくなったのです。

また、併設する訪問看護ステーションが「自立支援介護」に基づいたケアを積極的に行っていることも、ホームに「入居したい」「入居者を紹介したい」「ホームで働きたい」という声をいただくきっかけとなったそうです。

結果、老人ホームは順調に入居者を集めることができ、オープン時には満床となりました。

老人ホームは開設後も安定した運営を続けられるのか

「要介護度の中重度者を中心に受け入れる」というホームの方針は、だんだんと地域に浸透していき、
医療機関から医療依存度が高い方の受け入れについて数々の要望が寄せられるようになったそうです。

たとえば、当地は豪雪地帯であるため、冬季の訪問看護やデイサービスの利用が困難になります。
そのようなケースに対応して、越冬を前提としたショートステイなどの要望、
退院直後に高度な医療ケアを必要とする方の受け入れに対する要望などがありました。

これら「地域のニーズ」に柔軟に応えていったことで、
この老人ホームは、開設1年にして多くの入居依頼が寄せられるようになりました。
現在は対応可能な入居者数を超えており、複数の待機者が出ている状況とのことです。

開設に至るまでは波乱万丈でしたが、地域としっかり連携することで、
このように、老人ホームの運営は着実な成長を続けることができるのです。

空き家の資産運用実現に向けた第一歩

上記事例のように、空き家を老人ホームに転用するという方法で、空き家問題を解決したいと考えている物件オーナーの方にとって、「介護の王国」は有力なパートナーとなることができます。

例えば、ご自宅を老人ホームに転用することを前提とした場合、
持ち家の価値の図り方は以下のような4つのポイントが挙げられます。

① 過去に、自宅を購入したときの取得原価

② 今、同じ自宅を買った場合の再調達価格

③ 今、自宅を売った場合の売却価格

④ 将来に、自宅が稼ぐ価値(割引現在価値)

一般の人にとって、「持ち家が将来に稼ぐ価値」を予測するのは簡単ではありません。
家に住むのではなく、家を「活用する」という異なる用途での価値測定が必要だからです。

持ち家を老人ホームにすることによって、

・マイナス資産を長期的に収益力のある資産として生まれ変わらせ、

・社会的ニーズのある高齢者施設として資産価値の向上を図る

ことができます。

まずはお手持ちの物件や空き家が老人ホームに転用可能かご相談ください。

会社概要

Copyright © 事業性と社会性を両立した小規模老人ホーム「介護の王国」 All Rights Reserved.