【老人ホーム運営ブログ】入居相談を行う上で特に気を付けていること
お世話になります。「介護の王国」の石川です。
インキュベクスの直営老人ホームである「介護の王国」梶山店の入居相談を担当しております。
私の元には、日々施設入居に関するお問合せ・相談が、ご家族や関係者から寄せられます。
・仕事があるので介護できない
・退院しても自宅介護は・・・
・歩行が難しくなり一人住まいは限界に
など、相談される方のご事情は、ご家族と同居されている方から独居の方、当施設の近隣にお住まいの方から遠方にお住まいの方、入院中の方や在宅の方など実に様々です。
これらの基本的な情報をベースに、さらにその方の詳しいご状況をお聞きしながら入居相談を行っております。
たとえば・・・入院中であれば退院日(ENT)が設定されるので、その期限が迫っている場合は、かなり緊急性が高い相談になります。もちろんこれだけではなく確認すべきこと、注意すべきことは、沢山あります。
本日は、私が入居相談を行う上で特に気を付けていることをご紹介したいと思います。
その1)入居条件に合致しているか?
当施設「介護の王国」は、基本要介護3以上の方が入居対象となりますので、まずは要介護度を確認します。
申請中又は区分変更中の場合は、要介護3以上の認定が見込めるかをヒヤリングして、介護度が確定した時点で、再度ご連絡いただくようお願いを致します。
それから、正式な相談が開始されます。
不確定な状態で相談を続けても、結果的に対象外になれば相談者様をがっかりさせるだけでなく、施設側にも何のメリットもありません。
要介護3以上が見込めない際は、対象外であることをお伝えし、相談対応は終了とさせていただいたおります。
その2)入居希望の時期は?
入居時期の希望を確認してその緊急性を把握します。そして、対応できるか否かをしっかりお伝えします。
入居対象者様がご自宅に居られるか入院中かで、緊急性は大きく変わります。
入院の場合、期限内の退院が求められるのは、以前にご案内したとおりで、ご家族より病院の都合を優先せざるを得ないのが実態です。
とは言っても、退院日の期限が差し迫っての急な入居は、お受け入れはできない場合があります。
なぜなら、次のような準備、
・食材準備の発注と納品
・訪問診療クリニック(医師)の手配
・担当ケアマネの選任
・ケアプラン策定(ケアマネ側の時間的な余裕)
これら整える時間的な猶予が取れない為です。
その3)質問に曖昧な回答はしない!
これが相談対応で一番重要なことと考えています。
必要以上に期待を抱かせたり、誤解を与えるような曖昧なことをお伝えすると、入居後に、ご本人、ご家族、ケアマネなどの関係者とのトラブルやクレームにつながります。
ですので「できること」「できないこと」を曖昧にしないよう気をつけています。
過去の相談から一例をご案内します。
過去の相談から一例をご案内します。
「車椅子で近所の散歩へ連れて行ってもらえる?」
わたし: 「敷地外のお散歩付き添いは、対応していません。」
相談者A:「ダメなのですね。」
わたし: 「申し訳ございません。職員数は限られており、お1人様だけへの対応は限界がありますので。ただし、頻繁にはできませんが有料の“付添介護サービス〟をご利用いただくご相談をお受けします。通院や緊急時にも、この有料サービスの利用が可能です。」
相談者A:「料金はおいくらぐらいですか?」
わたし: 「日中は2,000円、夜間・早朝は5,000円、深夜は6,000円で、いずれも1時間当たり税別です。」
「入院前はデイサービスのようなレクリエーションはある?」
わたし:「残念ながら日々のレクリエーションは設定しておりません。当施設は「住宅型老人ホームにてお住まいと介護サービスの提供が基本になっております。」
相談者B:「何もないんですか・・・」
わたし:「はい。毎日は無いのですが、クリスマス時期などにはプロ奏者による演奏会など、季節イベントを用意しております。」
「もし、毎日のレクリエーション等が必須でご希望であれば、申し訳ございませんが当施設では、〇〇様のご希望に沿うことが難しいです。」
「入居後に体調が悪くなった時はどうなる?」
わたし:「申し訳ございませんが、病棟のように24時間完全看護の体制ではありませんので、施設で対応できなくなった場合は、入院または対応可能な他施設へ転居をお願いすることになります。」
相談者C:「入院の場合、退院するまで部屋はキープできますか?」
わたし:「ご相談のうえ、一定期間はお戻りをお待ちします。しかし、退院が不可能又は、退院しても病状・体調により受入れが対応できない場合、退去手続きをお願いすることになります。」
もしかするとこの記事を読まれている方は、このやり取りにドライな印象を持たれたかもしれません。(実際、お断りばかりですし…)
しかし、前述したように相談時に誤解を与えるような曖昧なことをお伝えすることは、後々のクレームやトラブルにつながる恐れがありますのでしっかりとお伝えしています。
もちろんできるだけ失礼に当たらないよう、丁寧かつ誠実に事実をお伝えしようと心掛けております。
また、定番のサービス以外でも外部の事業者様との連携で、ご希望に沿うその方らしい生活を送るためのサービスをご利用いただける場合もありますので、その金銭的負担も可能なのかなども確認します。
こうして、質問や要望に対して「できること」と「できないこと」をしっかりお伝えし、その上で入居の有無を判断していただいているのです。
さいごに
高齢者の施設、その種類はいろいろです。
掛かる料金、人員体制などもそれぞれで、サービス内容も一長一短でしょう。
これから老人ホームの入居相談される皆様は、施設(職員、相談員)に疑問・質問・要望・希望をしっかり伝え、真摯に対応してもらえるかをまずは見極めて、選んでいただきたいと思います。
お気軽にお問合せください。
介護事業の立ち上げ、老人ホーム運営のご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
※お問合せ内容の確認後、担当者よりご連絡させていただきます。