【老人ホーム運営ブログ】満床でも入居相談は積極的に

お世話になります。「介護の王国」の石川です。

インキュベクスの直営老人ホームである「介護の王国」梶山店にて入居相談を担当しております。

老人ホームなどの介護施設運営にとっては、稼働率(入居率)を高水準に維持することはとても大事です。

本日は、一定の稼働水準をキープさせるために、たとえ満床になったとしても気を付けていきたいポイントについて実際の事例を踏まえてお伝えしていきたいと思います。

満床の目処が立っても予定通りに進むとは限りません!

当然ですが、老人ホーム開所当初は、入居者様を早く確保したいため、入居相談・関係各所への営業活動に尽力されると思います。

そして…オープンから数か月経ち、満床の目処が立ってくると、入居相談が寄せられても「もう空き部屋がありませんので…」などお断りするケースも出てきます。

しかし、すぐに入居できる部屋が無いために、(入居希望者の詳しい内容をお聞きせずに)お断りすることは、運営上好ましいことではありません。

なぜなら入居対象者のほとんどの方は、何らかの疾患を持つ高齢者の方々であり、いつ体調の悪化または急変してもおかしくないからです。

また容態には変化がなくとも、先方都合などで突然退所になるケースもあります。

そうです。

満床の目処が立っていたとしても、すべてが予定通りに進むとは限らないのです。

ご入居予定が延期・無くなるケースとは

それでは、ご入居予定が延期された・無くなったケースを実際の事例に基づいてご紹介します。

事例①  入院中のK様(男性)

入居いただけるかを最終的に判断するため、病院にアセスメント訪問する日程の調整中、病院のベッドから転落する事故発生。結果、ADL(日常生活動作)が急速に悪化し、退院の目処が立たなくなりました。

事例②  施設入所のY様(女性)

入居が決定していましたが、ご本人の「リハビリして自立度上げてから入居したい」というご要望のためショートステイに一時入所することになり、入居は延期されました。

事例➂  在宅のA様(女性)

往診クリニック様からのご紹介で入居日は決定していましたが容態悪化。搬送先の病院で逝去されました。


このように、せっかく入居が決まっていてもご容態の変化なのご事情などで、ご入居そのものが延期・無くなってしまうケースは少なくありません。

一方、容態の変化がなくてもキャンセルとなるケースもあります。


事例④  入院中のT様(男性)

「介護の王国」への入居が決まっていましたが、待機中だった特別養護老人ホームの順番が回ってきたためへ特養へ入居されました。

事例⑤  入院中のS様(男性)

「介護の王国」への入居で話が進んでいたところ、家族様が見つけた他の施設へ入居することが決定されました。


これらの事例からも「〇月〇日の〇〇さん入居でいよいよ満床だね!」と、浮かれている場合ではないことを、おわかりいただけたと思います。

突然のキャンセルに備えて、何人もの見込みの方を確保しておく必要があります。

空き室に余裕がない場合の対応方法とは

ちなみに空き室に余裕がない場合、私は相談を受けた時点で、次のように待機(順番待ち)でもよいかを説明し確認しています。

現時点では、空室は〇部屋ありますが、既にご相談を複数いただいておりまして、近日中に入居が決定してしまう状況にあります。

今からのご相談ですと、待機になる可能性がありますが、満床の際は『待機』でもよろしですか?

この確認で待機いただける方に限り、入居要件を満たしているかどうか詳細をお伺いし、待機者リストへ記録します。

そして「待機不可」や「待機OKだけで入居要件に満たない」方には、出来るだけ丁重にお断りの旨をお伝えしています。

とても簡単なことですが、このように対応方法を改善することにより、入居見込みの方を安定的に確保することが可能となります。

現在ご入居されている方もいつ何時、退去されるかわかりません…

もちろん、現在ご入居されている方もいつ何時、退去されるかわかりません。

ここまでの事例は、「入居前」にキャンセルや・延期が発生したケースでしたが、入居済みの方が退所された事例をご紹介します。

①容態悪化で逝去

②容態悪化で緊急入院(搬送)

・退院が見込めない状況
・退院しても当施設でのケアや処置が対応できず受け入れが不可能

③要介護度が「3」以下に改善された場合

④特別養護老人ホームの順番待ちがきて転居


容態悪化が突然の場合はやむを得ませんが、もともと重篤な方などは悪化予兆が事前に予想できるケースもあります。

日頃から施設スタッフとの情報共有を密にして、何室が空きになる可能性があるか想定しておくことも入居相談業務では、非常に大切です。

さいごに

介護業界に限らず何の事業でも同じですが、ご利用者はいつか減ってしまいます。

次の入居まで長い時間をかけず稼働率ダウンさせないこと、これが老人ホームの売上維持の基本です。

満床になったとしても、待機を前提とした入居相談(=営業活動)は重要なのです。

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